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2005年1月前半

2005/01/01

寝正月

 昨日、2004年の最後の日にずっと入院していた叔父が亡くなった。突然喪中になってしまったので、静かなお正月。年末年始で葬儀屋も手配着かず、通夜、葬式は5日以降になるらしいのであんまり実感なし。

 それでも朝からお酒を飲んで、雑煮も、おせち料理も食べる。なますとか一部大晦日に作るはずだったもの以外はおせち料理も準備済みだった。お酒は金粉入りの清酒。正月というとお屠蘇というが、うちではいつも普通に燗酒を飲む。
 食後、お酒も入って気分がよくなってぐたーっと寝る。気がついたら昼になっている。昼食、寝る、夕食、寝る。まさに寝正月。

 テレビを少し見た。箱根駅伝。時代劇専門チャンネルで「御家人斬九郎3」の一話。アニマックスで「犬夜叉 砕牙編」の一話。要するになんとなく過ごしたということ。

 夜、読みかけの『赤い霧』(ポール・アルテ ハヤカワ・ポケット・ミステリ bk1 / amazon)を読むが少し読んだら眠くなって寝てしまった。
 そういえば、書き忘れていたが、『赤い霧』は一昨日正月用に買った本の一冊。

 DVDレコーダーのマニュアルも読む。メディアの種類や録画のモードなどいろいろあって、使いこなすのは大変だ。ビデオ録画も難しいと思っていた人たちは使いこなせるんだろうか。

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『赤い霧』

『赤い霧』ポール・アルテ  10年前にイギリスの片田舎で起こった密室殺人の謎を解明するために「ぼく」シドニー・マイルズは少年時代を過ごしたその土地へと帰ってきた。<新聞記者>シドニー・マイルズとは偽名で、「ぼく」は謎を解くためには「ぼく」の正体を知られないほうが都合がいいと思ったのだ。
 心配は、10年経っているとはいえ、誰かが「ぼく」の正体に気づかないかどうか。宿屋についた「ぼく」は、宿屋の主人トニーに普通の客として扱われる。第一関門は突破してほっとしたつかの間、宿屋の娘コーラと対面する。コーラはいまや美人の娘に成長していた。「ぼく」はコーラに一目ぼれしてしまう。「ぼく」はコーラに目的を打ち明けて、仲間に引き入れると同時に彼女の心もひきつけようとするのだった。

 こうして、10年前の密室殺人をめぐる物語は始まる。本作は、ツイスト博士シリーズではなくて、単独の一作品になっている。その分作品に自由度が高いわけで、そもそも語り手で探偵役と思われる「ぼく」の正体が何者なのか、真の目的は何なのかもわからないため、物語がどういう展開をするのか予断を許さない。
 過去の謎ときとともに現在でも殺人事件が起こるのだが、これもまた不可能犯罪という謎に満ちた展開の割りに、意外なことに全体の半分くらいで全ての謎が解けそうな気配がしはじめる。実際、三分の二で謎解きが終わり事件はほぼ解決してしまう。
 ここで第一部が終了、第二部は、一部を引きずりながら、切り裂きジャックの話へと移る。一見、別の事件のような二つの事件が関連していることは「ぼく」と読者には明らかなのだが、最後に切り裂きジャックの正体が暴かれて物語は終わりを告げる。密室殺人ものと切り裂きジャックものの融合は、果たして必要があったのかという疑問もあるのだが、全体としては面白かった。
 第二部の切り裂きジャックが現実の殺人事件であるのも関係するだろうか、やや傍観者的で突込みが浅い気がする。それが密室殺人と切り裂きジャックをつなげる必要があったのかという疑問にもつながっているように思う。独立した二つの物語としてもよかったのではないかと思うのだ。

 ポール・アルテ作品を読むのはこれで三作目だが、パターンが見えてきて、トリックは別として、第一部、第二部とも結末は読めてしまったのだが、十分楽しめた。

[ 『赤い霧』(ポール・アルテ ハヤカワ・ポケット・ミステリ bk1 / amazon)]

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2005/01/02

寝正月の読書

 お正月用に『赤い霧』と一緒に、ロバート・ラドラム『メービウスの環』(新潮文庫 上 bk1 / amazon 下 bk1 / amazon)を買ってあったので読み始める。

 外出途中、何か買おうと思って本屋に立ち寄り、時間がないので新刊コーナーなどをざっと一回りしていたときに目に付いた。帯の「巨匠の遺作、ついに登場!」にえっと思ったのだ。ラドラムが亡くなっていたとは知らなかった。表紙の著者紹介文を読むと、2001年3月に亡くなっている。そんな前だったとは全く知らなかった。
 ラドラムならはずれはないだろうし、帯の裏には「『暗殺者』以来の最高傑作!」とある。惹句という点を差し引いてもかなりよさそうだ、正月休みに一気に読むにも、冒険小説の類はふさわしいと思って購入した。

 ラドラムの作品は、『暗殺者』が印象に残っている。最近、原題の『ボーン・アイデンティティ』で映画化されたあれだ。好評だったのか続編の『ボーン・スプレマシー』も作られている。実は『ボーン・スプレマシー』は二匹目のドジョウを狙ってのオリジナルストーリーの続編だと思っていたのだが、解説に載っていた翻訳一覧を見ていたら原作があることに気づいた。それどころか、原作には三作目もあるようだから、これも映画になるんだろうな。そのときにはこれもカタカナタイトルで『ボーン・ウルティメイタム』なんてタイトルになるのだろうか。このシリーズのタイトル、カタカナだとなんだか全然意味がわからない。

 ラドラムは『暗殺者』が面白かったので、続けて他の作品もまとめて読んだ気がしたのだが。 解説の翻訳一覧を見てみると意外に読んでない。というか、どれを読んだのかほとんど記憶に残っていない。本棚を探すと、『悪魔の取引』があった。これくらいしか読んでいないのか。

 そんなわけで、ラドラムに思いをはせるが、読書は進んでいない。酒を飲んでは眠ってばかりいた。

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2005/01/03

ミニ新年会

 友人数名とこぢんまりとしたミニ新年会をしてきた。

 某高級ホテルの中華料理店での飲茶バイキング。待ち合わせの場所に着くと、幹事いわく、事前に店を見てきたんだけれど、高級ホテルにある中華とは思えないしょぼさでちょっと心配、と。実際店は確かにホテルのレストランとは思えないシンプルさ。店員は中国人で、愛想も悪く。幹事いわく、この愛想の悪さとか中国っぽいかも、中国擬似体験ができたということで勘弁してください、と。実際、バイキングなんて好きな料理を勝手に取ってきて食べるので店員がどうのなんてあんまり関係ない。そのうち酒も入って何も気にならなかった。

 ただただ食べて飲んで取り留めのない話をする。あるキーワードでは結びつきがあるが、個別には共通した話題が難しいと思っていたのだけど、なぜか会話は途切れることもなく、閉店でやんわりと追い出されるまで居座り続けた。

 生ビール(とかいっても発泡酒だったけど)、青島ビール、紹興酒(ロック)と、結構飲んだ。飲む人が二人しか居なかったので、紹興酒は二人でボトル一本。結構飲んだ気がした。

 行き帰りの電車で読書。『メービウスの環』(ロバート・ラドラム 新潮文庫 上 bk1 / amazon)。

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2005/01/04

『僕の彼女を紹介します』

『僕の彼女を紹介します』  映画館に行って、上映時間が丁度いいので、『僕の彼女を紹介します』を観た。タイトルは一応知っていたが、内容は全く知らない。

 映画が始まって観ているうちに、主演の女の子のキャラクターが「凶暴」で、『猟奇的な彼女』は見逃したけど、もしかして二番煎じと思い始める。そのうちに、主演の女の子は猟奇的なあの彼女みたいだと思い出す。とすると、二番煎じというよりはむしろ、あの映画のヒットで猟奇的キャラが定着してしまったということかもしれない。って、それがもう一度ヒットを狙う二番煎じということかもしれないけど。
 話は前後するが、あとで確認したら、主演はやはり「猟奇的な彼女」チョン・ジヒョンだった。そして、監督も同じでクァク・ジェヨン監督。監督・女優が同じ組み合わせの第二弾ということか。

 映画は冒頭、「えっそこから始まる?」と驚くような始まり方をする。この始まり方では、悲惨な結末が待っているだけなのではないかと思えるからだ。時間は遡り、凶暴な彼女と僕の出会いから始まる。しつこいくらいベタな凶暴さの彼女は警察官で、教師の「僕」とこれまたベタな恋愛映画が始まる……と思ったら銃撃戦ありのはちゃめちゃな展開に。

 タイトルは、『僕の彼女を紹介します』というより、「ゴースト 僕の猟奇的な彼女はダーティハリー」といったところ。『ゴースト』を思い浮かべたのは僕だけじゃないらしくて、ポスターを見たら「韓国発『ゴースト ニューヨークの幻』」なんて書いてある。あとはずらずら並べた副題で想像してほしいんだけど、要するに恋愛映画でアクションありのファンタジーありの、そして「猟奇的な彼女」再びってわけ。これであと踊りがあれば、インド映画っていうくらい盛りだくさんだ。

 面白いっていや、面白いけど、ベタだなぁ。まあそれがいいのかもしれないけど。ただ、チョン・ジヒョンは無茶苦茶可愛いね。

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2005/01/05

通夜

 12/31の朝、伯父が亡くなった。

 年末年始だったのもあり、葬儀場の関係などいろいろあって、通夜は今夜になった。ずっと入院していたのでもうまもなくだとはわかっていたが、大晦日の朝というのは予想外だった。その少し前、かなり危ないところを乗り切ったので、もうしばらくは大丈夫だろうと思っていた。

 知らせを聞いても全然実感がなかったが、通夜に参列してみるとすごく身近に感じる。父のすぐ上の兄なので、伯父の息子も歳が近い。数年後には父も同じ歳になると思うとあまり他人事とは思えなくなってくる。

 お清めで、ビール、水割り、日本酒を飲む。清めてるんだかなんなんだか。家に帰ってから、さらに泡盛をお湯割りで飲む。飲み足りなかったわけじゃなくて、ものすごく寒かったから。

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2005/01/06

泡盛在庫切れ

 うっかりしてたらイザベル・アジャーニの『ボン・ヴォヤージュ』が明日までだと気づいて慌てて観にいく。ずっと忙しかったので、『イザベル・アジャーニの惑い』も観逃していて、これも観逃すわけにはいかない。

 夜はまったりと泡盛咲元をお湯割りで飲む。これで買い置きしてた泡盛は飲み終わってしまう。今日、買いに行くんだった。

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『ボン・ヴォヤージュ』

 タイトルのみで何も情報なしで観にいった。そういう映画の見方が理想である。ただ、何も知らなかったので、ちょっと重苦しい映画かなという気がして、腰が重くなりがちだった。こんなに面白い映画ならもっとさっさと行けばよかった。といっても、時間はなかったのだが。

 ストーリーは一言でいうと、1940年6月14日、パリ陥落直前の激動の時代を背景に描くラヴ・ロマンスである。こういうと、当初自分の思い浮かべていたのだが、重苦しい重厚なラヴストーリーみたいである。しかし、全然そうではない。

 冒頭、その数ヶ月前に遡って、最初にイザベル・アジャーニ扮する女優ヴィヴィアンヌが巻き込まれる、いや巻き込む殺人事件から始まる。サスペンスタッチで始まるのだが、何か滑稽。そうこれはコメディになっている。戦争という時代背景に、サスペンスコメディというわけだ。他にもスパイあり、原爆をめぐる陰謀ありで、息もつかせないスーピーディな展開の連続である。

 イザベル・アジャーニのわがままぶりや自由奔放ぶりは最高、加えてカマトトぶりもコメディ部分で抜群に面白い。

 元は、ソフィー・マルソーの出演予定だったのが、ソフィーが出産で降板したところ、アジャーニが自ら名乗りをあげたらしい。ソフィー・マルソーもいまやいい女優になったけど、アジャーニの今回の演技を見てしまうと、これはアジャーニのための映画みたいに思えてしまう。

[ 『ボン・ヴォヤージュ』 監督ジャン=ポール・ラプノー 新宿武蔵野館 ]

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2005/01/07

長い夜

 午後、何も知らない案件の提案に行く。昨日の夜、案内が来て、今日の朝提案の最終版というものが届いた。待合せは昼過ぎ、駅前でということなのだが、一緒に行く人たちとは初顔合わせ。今までいろいろ経験しているが、こんな急な話は初めてだ。待合わせ相手は、なんとなく雰囲気で察して声をかけると正解だった。
 正月に友人たちと新年会をした際、ちょっとばかり遠いところに仕事に行っている人がいて、かつて自分もその近くに仕事で行ったことがあり、とにかく寒かったことだけははっきりと覚えていたので、そんな話をした。「温度が2、3度違いますよね」。
 その温度が2、3度低いところに行くことになったのであった。やはり、こういうことは口にしてはいけないのかもしれない。

 仕事のあと、飲みに行くことになる。仕事がらみで妙に熱の入った話になって、2時間半飲んでも解決つかない。新宿に移動して、それからまた飲みに行く。ここでまた閉店になるまで飲み続ける。間に移動時間はあるものの、足掛け6時間半も飲んでしまった。今日の実質の仕事より長いではないか。
 その間、ずっとビールを飲んでいたのだが、ビールでも酔えるのだね。ビールでこんなに酔ったのは久しぶりだ。

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2005/01/08

DVDレコーダー

 DVDレコーダーを買ったのはいいが、片っ端からHDDに録画してHDDが早くも一杯に近づいてきた。

 しかし、まだDVDにダビングすることについてはよくわかっていない。操作はメニュー方式なので適当に操作していればダビングくらいできそうなのだが、画質をどのレベルまで保持できるか、ダビングしたあとに編集できるかなどがわかっていない。
 ダビングしたのはいいが結局画質が悪くて保存しておく意味がないとか、あとから編集するつもりでCMなどのあるままダビングしたら編集ができないとか、そういうはめにはなりたくない。

 というわけで、今日は試しダビングをしてみる。とりあえず、2時間未満の映画をダビングしてみた。2時間を越えるものを録画しようと思うと、モードを変えて画質を落とさなければならないが果たしてどれくらいの画質になるのか。こちらはまだ未確認。
 高速ダビングモードは、モードを変えての録画はできないみたいなので、長時間録画はHDDに録るときから長時間モードで録っておかないとダビングに時間がかかることがわかる。

 PVを流している番組6時間分の編集を始めたらものすごく時間がかかってしまった。夜までやっていたらすっかり飽きてしまった。

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『愛情物語』

『愛情物語』  原田知世16歳の映画主演第二作。監督は角川春樹で、角川春樹も監督第二作。原作は赤川次郎だが、映画のタイトルを自作に転用することが多く、これもエディ・デューチンの伝記的映画から作品タイトルを転用したのだろう。小説だけならいいが、それが映画になると同じタイトルの全く違う映画になりややこしい。

 原田知世扮する孤児の少女美帆が、誕生日にバラの花を贈ってくれる「あしながおじさん」を探して旅に出るという話で、美帆はミュージカルのオーディションを受けようとしていることから、冒頭にミュージカルシーン、旅の間に練習シーンとしてダンスするシーンが挿入されて、ミュージカルのようでミュージカルでない妙な映画になっている。昔、初めて観たときにはミュージカルというより、プロモーションビデオに近いと思っていたが、今回久しぶりに見直してやっぱりそう思った。最近だと映画風のPVなどもあるので、それを20年前にやって、しかも映画として公開したといったところか。

 最後の方で加賀茉莉子がホラー的登場をするのが怖いというか滑稽というか。このシーンはすっかり忘れていたのに、シーンの直前になって、その部分だけはっきり思い出した。それだけ印象が強かったみたいだ。
 それにしても、ミュージカル風で始まっても、角川映画はやっぱり横溝風クライマックスですか。

[ 『愛情物語』 1984年 日本映画専門チャンネル ]

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『モナリザお京』

 渥美マリ主演のミステリ・ラヴコメディ。
 ポルトガルで数億円のダイヤのブローチ「海の星」が盗まれる。それを知った凄腕の美人スリモナリザお京は、犯人を日本人の怪盗「シャドウ」とにらむ。
 折りしも、裏では宝石の密売も行われているクラブで、モナリザお京は一人の男と偶然知り合う。そして、ひょんなことから、その正体がシャドウであることに気づくのだった。「海の星」を巡って、モナリザお京は女の意地をかけてシャドウに挑戦する。

 ミニのワンピースなど70年代ファッションもふんだんに、いきなりシャワーシーンから始まるなどちょっとしたお色気ありで、なんとなく峰不二子を主人公にしたルパン三世みたいな雰囲気が漂う。
 ラヴコメディが主体なので仕方ないが、クライマックスの「海の星」を盗むシーンでは、大怪盗シャドウにしてはしょぼい作戦だったのが残念。

[ 『モナリザお京』 1971年 日本映画専門チャンネル ]

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2005/01/09

追いかけ再生

 日本映画専門チャンネルで、黒澤明の『隠し砦の三悪人』をやっていたのでDVDレコーダーに録画する。が、録画を確認しているうちになんとなく止まらなくなってしまって、そのまま追いかけ再生で観てしまう。

 この追いかけ再生というのは便利だ。HDDには既に残り8時間しか残っていなかったので、今日も朝から録画したものを整理していたのだが、録画ばかりしているとすぐにHDDはいっぱいになってしまう。すでに100時間録画済みらしい。100時間もたまってから、まとめて観ようと思っても観ようがない。あとは結局、上書きで消すしかなくなってしまう。
 録画機能はあくまで時間差機能でしかないことを思い知らされる。

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『隠し砦の三悪人』

『隠し砦の三悪人』  今更説明する必要のない、有名な黒澤明監督作品である。日本映画専門チャンネルで2年間続いた「黒澤明の仕事」という特集の締めくくりとして、先月から「黒沢作品 9週連続10作品一挙放送」という企画があり、それで放送された。

 録画保存しようと思って、最初はDVDレコーダーに録画していたのだが、録画を確認してちょっと観ていたら引き込まれてしまい、結局頭から追いかけ再生でしばらく観るうちに、気がついたら最後まで観てしまっていた。

 藤原釜足と千秋実の百姓コンビが織り成す掛け合い漫才みたいなやりとりは可笑しい。仲がいいようでいて、損得が絡むと突然いがみ合う。それでいて、命が危ない状況では半泣きで助け合う。この二人がこのあとどうなるのかが、わかっていても気になってついつい見ているうちに、御船敏郎の登場となり秋月家再興のための計略の話が加わる。どう考えてもこの敵方からの脱出のストーリーがメインであるはずなのに、百姓コンビの織り成す漫才的なやりとりが面白くて目が離せない。三船敏郎の目が離れた瞬間にすぐに逃げ出すことを考えるし、そういう点では敵から逃れる以上にはらはらする面もあったりする。

 もちろん三船敏郎は素晴らしいし、頑固な姫のキャラクターも秀逸だし、藤田進の敵方大将もキャラクターといい役回りといい忘れてはならない存在だ。こんなところで物語り構成を論じている場合じゃないが、藤田進の敵方大将とのつながりは恐ろしく無駄がない。正体の発覚→追跡→敵陣に追い込まれる→勝負→裏切りと、逃避行の部分から最後の逆転まで一切余計なものなくつながっていく。勝負や裏切りの部分も物語とキャラクターが一致している。

 あくまで百姓コンビの掛け合い漫才みたいな展開で楽しめるのも、背景にこういうきちっとした物語があるからなのかもしれない。

[ 『隠し砦の三悪人』 日本映画専門チャンネル ]

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2005/01/10

「義経」

 ここ数年大河ドラマは観ていないのだが、昨日手持ち無沙汰だったので観た。主演はタッキー、なんか年々主人公役の役者が若年化しているような気がする。

 オープニングを見ていたら、音楽がウラジミール・アシュケナージ指揮のNHK交響楽団だった。

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『リプリー』

『リプリー』 『リプリー』  マット・デイモン主演の『リプリー』を観る。

 パトリシア・ハイスミスの小説の映画化だが原作はよく考えてみたら読んでいなかった。持ってるんだけど。
どうしても、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』と比較しながら観てしまうが、かなりストーリーが違っていた。『リプリー』の方が原作に近いんだろうなと読んでいないながら思う。

 『リプリー』で、ちょっと気になるのは衝動殺人的な展開で、その割に他人を真似る特技などその後の展開の伏線が意味ありげに出てくる。原作はどうなのか知らないけど、ここはやっぱり、計画殺人でないとしっくりこない気がする。

 『太陽がいっぱい』で好きなシーンが、スライドで壁にサインを映して、その上を何度もなぞってサインを書いて練習するシーンとかだったりするのだが、これはなかった。
 あと、ヨットで航海中にボートに一人乗せられて、火傷に近いほど酷い日焼けになって苦しむシーンもない。
逆にリプリーのホモ的な部分はより強調されていて、それが明確な動機になっている。この辺からは、衝動殺人へとつながる伏線としてはいいのだが。

 『太陽がいっぱい』のすべてを手に入れたリプリーが浜辺で太陽をいっぱいに浴びている中、ヨットが陸地に引き上げられ、同時に彼の名を呼ぶ声でフェードアウトするという衝撃的なシーンもすごく好きだが、これまた違う結末。
 『太陽がいっぱい』だと、明るく暖かい場面にそのイメージと逆の結末を暗示させて終わるわけだが、『リプリー』はそれと逆で重く暗いシーンで終わる。
 でもこれは、原作はリプリーシリーズがあることを考えると、原作には近いのかもしれない。

 『リプリー』の結末でもうひとつもの足りないのは、クライマックスが今ひとつはっきりしないという点で、事実が暴露しそうになることが何度も起こり、それを綱渡り的になんとか乗り越えていき、どうも盛り上がりのないまま最後の暗いシーンで静かに終わっていく。
 『太陽がいっぱい』のイメージが強すぎるのかもしれないが、それまでに何度もクライマックスがあるのにそこで話が終わらないのが、そういうもの足りなさを感じさせる理由じゃないかと思う。

[ 『リプリー』 ]

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『ラヂオの時間』

『ラヂオの時間』  三谷幸喜の『ラヂオの時間』を観る。

 「やっぱり猫が好き」とか大好きだったけど、三谷映画って、もしかして初めて観るかも。

 よくできた喜劇で、とにかく馬鹿馬鹿しいんだけれど、みんな真剣なのが滑稽で、当人たちには悲劇でしかないのが本当に可笑しい。特に悲惨なのは、鈴木京香演じる脚本家なのだが、コンテスト応募で入選した主婦で、これが自分の作品が初めてドラマ化されるという設定。
 観ているときには気づかなかったのだが、よく考えてみれば三谷幸喜も脚本家から出発しているわけで、この物語での彼の分身なのだ。いや、もちろん他の登場人物たちも、それぞれ彼の分身だという気がすごくするのだが、逆にそれだからこそこの鈴木京香が特別に分身なのだと気づかなかったのだが。

 観ているときには、この脚本家に降りかかる災難(もう、災難といっていいでしょう!)は、悲惨この上なくて、笑える一方でここでもう怒りを爆発させろよと応援?したくなった。三谷幸喜もここまでいじめるか、と思ったのだけれど、思えばこれこそが三谷の本音なのかもしれない。
 ラジオ番組制作を舞台にしているので、ラジオに関わらず番組制作に関して出てくる風刺・批判なんかは、かなり本音もあるんじゃないかと思っていたが、まぎれもなく本音バリバリなんだろうと確信した。

[ 『ラヂオの時間』 日本映画専門チャンネル ]

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2005/01/11

着信アリ

 年末から正月にかけて、生活のリズムが狂ってしまったようで、夜更し気味。昨夜も気がついたら4時になってる。6時起床なのにな。
 もっとも、後よりに正しいリズムになっているともいえる(笑)。先月まで、リズムも何もなかったからね。
 そうはいえ、やはり起きられなくて8時頃ようようの思いで起きた。あと、昼間食事のあとものすごぉぉぉく眠くて辛かった。

 で、久々に遅くまで仕事したので飲みに行く。

 飲んでいたら、ズボンの左後ポケットの電話が震えた。

 誰だろうと思って出ようとしたら、

 発信者は……自分だった。

 キャーッ

 右のポケットに入っている電話を取り出すと、キーロックが外れていて、リダイヤルで自分に電話していたみたい。

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2005/01/12

今晩の晩酌

 琉球泡盛 時雨
 きゅうり
 冷奴
 刺身盛り合わせ
 中身とろとろオムレツ

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2005/01/14

一月待ち

 夜、映画を観にいこうと思っていたのだが、腹痛がして下痢をしたのでやめておく。その後なんともないのだが、もしかして昼間、眠気覚ましに食べたシュガーレスの飴の「お腹がゆるむことがあります」のせいか? 珈琲とつめたいお茶も飲んでたし。不明。

 帰りに数寄屋橋交差点近くの旭屋書店に寄って、何か読むものを物色。『終戦のローレライ』がI・II揃って平積みになっていたので購入。
 映画の予告で福井晴敏の小説の映画化は知っていたのだが、それは『終戦のローレライ』だったか、『亡国のイージス』だったかどっちだかわからなくなっていた。折込チラシをみたら何のことはない両方映画化されていたのだった。
 何度か予告を見て、潜水艦の話が気になっていたのだが、この間、阪本順治が監督というのを見て、さらに観たいと思った。しかし、これそれぞれ別の映画で2本の映画の予告が混ざってた。潜水艦の方がローレライ、監督が阪本順治の方がイージス。

 本を読み始める前に、そんなチラシだの帯だの奥付などを見ていて、えーっと思った。なんと2冊だと思ってた『終戦のローレライ』は全4巻だった。そして残り2冊は2月15日発売だって。
 2冊読んだら一月待ちか。もっとも、読むのに一ヶ月かかれば問題ないが。

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次回予告

 すっかり日記をさぼっていたが、仕事が暇になったので映画とか観ていて、感想が追いつかない。あと、DVDレコーダーを買ったので、録画したものを見たり整理するのに忙しかったり。

 この間に見たのは、CATVで録画した『隠し砦の三悪人』『リプリー』『ラヂオの時間』、新作では『マイ・ボディガード』を観た。読書は『メービウスの環』を読了。ぼちぼち追記予定。

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2005/01/15

寝るとき携帯電話の電源は切るものなの?

 「木梨ガイド」という番組で、上戸彩が携帯の電源を切らずに寝るといったら、木梨と藤井郁也が携帯の電源は寝るときに切るものだ、切らないのはおかしいとと主張していた。

 なんとなく世代の差なのかと思ったが、でも古い世代の方の僕も携帯の電源は切らない。そもそも目覚ましに携帯のアラームを使っているし。

 今まで電源オン・オフの機能とか何のために使うのかよくわからなかったが、これだけ夜電源を切りたいと主張する人がいるのを見て初めて納得した。

 この違いは世代の差ではくなくて、電話がどれくらいかかってくるかにも関係するのかも。夜中にしょっちゅう電話がかかってくるようだと電源を切りたくなるかもしれない。僕なんか、そもそも昼間だって電話がかかってこないからな。

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『野獣死すべし』×2

 『野獣死すべし』といえば、松田優作の映画を思い浮かべるが、知らなかったのだけど、その前にも映画化されていてる。あとであれば、1997年の木村一八のと、テレビドラマで香取慎吾のがあって、香取慎吾のは見ていて結構気に入ってた。(と思ったら、香取慎吾のは『蘇る金狼』だった。)

 で、優作以前のやつを二本ケーブルで放送していたので、続け観て見た。

『野獣死すべし』(1959 モノクロ)
 仲代達矢 小泉博 団令子

『野獣死すべし 復讐のメカニック』(1974)
 藤岡弘 黒沢年男 緑魔子

 1959年版の伊達役仲代達矢は若くて言われないとわからない。言われてみるとまぎれもなく仲代達矢なのだが。
 松田優作のキャラはこの辺を意識している気がする。しかし話は全然違っていて、動機がそもそ金が目的になっていて復讐ではない。社会批判とかが背景にあって、面白いのは学生の伊達は、その考えを論文に書いていたりする。論文の理屈にしたがって、貧乏人の伊達は留学費用を手に入れるために現金強奪をたくらむのだ。刑事たちはそれを元に伊達を追いかけたりしていて、まるで『罪と罰』のようだ。
 そして、結末はアメリカ留学に行く伊達を執念深い刑事が空港でかげながら見送る。飛行機で機内食を食べながら成功に酔いしれている伊達。刑事たちは伊達の捨てた女を空港で見かけ、追いかけて終わる。結末の方は『太陽がいっぱい』みたい。

 1974年版は復讐ものになっていて、金はどうでもいい。殺したあとに手に入れた金をちぎって車の窓から捨ててしまうシーンなどが最初に出てくる。ちなみにこのときの一万円札が聖徳太子だったりして時代を感じる。
 役柄はアメリカ帰りの講師で、しつように追ってくるのは刑事ではなくて黒沢年男の新聞記者。父親の会社を乗っ取り、父を死に追いやった企業に対する復讐のために、次々と関わった者たちを事故にみせかけたり、射撃によって殺していく。
 最後は派手な銃撃戦で死亡。

 松田優作×村川透の『野獣死すべし』も全然ストーリーが違ったが、何度も映画化されるのにみんな違うのはなぜなんだろう。(この疑問は、『野獣死すべし』の原作を読んで解決した。→野獣死すべし÷2)

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『バンデットQ -Magical ed.-』欲しい

『バンデットQ -Magical ed.-』  テリー・ギリアム監督の『バンデットQ』は公開時に観たのだが、そのときから完全版ではなくてカットされていると聞いていた。それは映画に詳しい友人に聞いたのだが、そのときはまだテリー・ギリアムを意識していなかったので、『バンデットQ』という映画も単なるファンタジーの一本くらいにしか思っていなかった。カットされているのか、残念だなぁと。

 その後、テリー・ギリアムは好きな監督の一人になったが、新作があれば観にいくというところで止まっていて、なかなか旧作を掘り返して観ようというとこまではできていない。テリー・ギリアムが好きな人たちはみな熱狂的なので、テリー・ギリアムを好きとはなかなか言えなかったりする。

 『バンデットQ -Magical ed.-』はその完全版なわけで、レビュを見ると画質がいまいちとかいろいろコメントはあるが欲しいところ。

『バンデットQ -Magical ed.-』(amazon

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『赤い霧』
寝正月の読書
ミニ新年会
『僕の彼女を紹介します』
通夜
泡盛在庫切れ
『ボン・ヴォヤージュ』
長い夜
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追いかけ再生
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『リプリー』
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