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2006年3月前半
事務処理で遅くなり、9時過ぎに帰るが、雨の降りが酷い。
一緒に帰った人と、途中で「雨宿り」することにする。生ビールを飲んだ後、焼酎のボトルを入れる。飲みきらなくてもその方がやすいだろうということでボトルを入れたのだが、結局二人で空けてしまった。
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青山真治監督の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を観てくる。
劇場に入ると、場内でスタッフが案内を読み上げていた。その中に、映画の演出上、大きな音が出ることがありますのであらかじめご了承くださいとか、そんなようなことを言っていた。
ふーん、と思っていたけど、なるほど人によっては耐えられないかもしれないくらい大きな音がほとんどずっと流れていた。
「レミング病」と名づけられた、自殺をする病気が蔓延する近未来。浅野忠信と中原昌也の二人が演奏する音楽がその死を食い止めるという。その音楽がノイズミュージックで、しかも爆音なのである。クライマックスは広い何もない草原のようなところに巨大なスピーカーが設置され、そこで重く激しい音楽を延々と演奏する。不思議と快感のある音楽だった。
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ルーチン化された繰り返しの日々の一日。夜、残念な結末を迎えた仲間と飲みに行く。
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ポール・オースターの『わがタイプライターの物語』を読む。
著者ポール・オースター、サム・メッサー絵となっているが、これはオースターの文章にメッサーの挿絵が挟まれているというより、メッサーの画の間にオースターの文章が挟まれているといった方がいいと思う。
オースターの文章を読む限り、このメッサーの画はこの本に先立って、オースターのタイプライターに魅せられたメッサーが数々の画を既に書いているように読み取れる。だからむしろオースターがその数々の画を見て、オースターが振り返ったタイプライターにまつわる思い出、いや思い出というよりは物語として文章を書くことを思いついたのではないかと思う。
だからやっぱりオースター著でありながら、メッサーの画は欠かせないし、メッサーの画の間にオースターの文章が挟まれているというような印象を受けるほどメッサーの画が収録されている必要があるのだろう。
オースターのタイプライターについての文章も短いのに味わい深い。そしてタイプライターへの愛情が強く伝わってくる。
ワープロやパソコンがどんなに広まっても、タイプライターを使い続けるオースターの姿勢は偏屈な感じがしてもおかしくないのに、そんな気がしない。「いまのままで何の不満もないのに、どうして変えなくちゃいけない?」という言葉がとても自然に響く。
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私は「府中三億円強奪事件」の実行犯だと思う。
当時、女子高生の中原みすずが、そんな曖昧な表現で「まえがき」を書き、三十年以上前を振り返って三億円強奪事件の真相を語る物語だ。三億円強奪事件と女子高生なんてかけ離れた印象を受けるが、三億円強奪事件の真相と『初恋』というタイトルもまたかけ離れた印象を受ける。しかし、そこに語られた物語は『初恋』に相応しい。
この作品は、中原みすず名義で書かれ、語り手「私」は「中原みすず」として登場する。「かんたんなまえがき」でも実行犯だと思うと書かれていて、全体が三億円強奪事件実行犯の中原みすずが回想を書き連ねた形になっている。坦々と描かれる事件までの出来事、当日の犯行については、あっけないくらい単純で馬鹿馬鹿しいくらいの偶然に恵まれたとても小説ではありえないゆえに逆にリアリティを感じてしまう。
もしかしたらリアリティを感じてしまうのは、犯行そのものよりも、中原みすずの気持ちに対してなのかもしれない。
いずれにしても、三億円事件の真相はこうだったのかと自然に思ってしまうような不思議な世界に誘われる。
宮崎あおいが主演で映画化される(『初恋』公式サイト)が、宮崎あおい自身がこの作品の映画化を希望しての出演らしい。そのせいか、『初恋』を読んでいる間、中原みすずがずっと宮崎あおいと重なっていた。普通なら特定のイメージを思い浮かべてしまうことを嫌うのだが、今回はとてもしっくりきて違和感を感じなかった。
そんなわけで、映画も観てみたいと思っている。
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徹夜仕事で朝帰り、11時半頃家に着く。腹が減ったので近所のパン屋でパンを買ってきて、コーヒーとサラダを食べる。明け方と電車の中の睡眠のおかげで、頭の芯が重い感じはするものの意外と眠くないので、録画してあった「アンフェア」第8話を観る。
事件は一つの終結を見るが、誘拐の真犯人はまだ捕まらない。そして予告では新たな事件の始まりみたいだ。全何回か知らないが、普通ワンクール13回だから、新たな物語があと5話続くのだろうか。そして一つの3つの事件の裏に繋がる謎が最後に明らかになるのだろうか。ちょっと期待してしまう。
ところで予告の中で、殺された被害者に「×」印が残されているという場面があった。「アンフェア」のタイトルロゴはアンフェアという文字の後に赤い「×」印があるが、アンフェアのロゴはこれからきてたのか。
ドラマを見ていて、時折佐藤嗣麻子の脚本に感心している。特に好きなのは何か新たな展開があるときに必ず携帯が鳴るというところだ。その携帯の着信音が不安を掻き立てる音色で、ドラマの緊迫感を盛り上げているなぁと思っていた。全部見終えたら、せっかく録画したことだし、もう一回そういう観点で見直してみようかと思っている。
しかし今日、事件がまた一つの区切りを得たのに、また別の事件へと繋がっていくところで、原作の『推理小説』(秦建日子 河出文庫)がかなり気になってきた。この間書いたが、ドラマの一つ目の事件だけで『推理小説』は終わってしまう。秦建日子の原作は、あと二作書かれるのだろうか。それもドラマと同じく話が連鎖しているのだろうか。それが非常に気になっている。ていうか、まず『推理小説』が面白いのか読んでみるのが先かな。
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寝不足なのに眠くならないときは眠くならない。録画を見た後、宮沢章夫の『サーチエンジン・システムクラッシュ』を読み始める。タイトルから想像していたのとは全然違う始まり方。どうなるのだろう。
夕方外出。食後、ビール飲むが眠くならない。食事をして腹が一杯になったら、自然に寝てしまうだろうと思っていたのだが。ビール2缶にさらに冷酒を飲んでたら21時頃突然の睡魔。1時間半くらい眠った。ようやっとすっきりした。
今日は早く寝るつもり。うまく生活サイクルが戻ればいいが、明日はだるそうだな。
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引き続き、宮沢章夫の『サーチエンジン・システムクラッシュ』を読む。想像と違ったと思ったけれど、読み始めたら止まらない。ずんずん読んでほとんど一気に読み終えてしまいそうだったが、最後の数ページを残して中断。
シチューをつまみに泡盛のお湯割などを飲んでいたら、気分がよくなってソファで眠ってしまう。もう少しで、また朝まで寝てしまうところだった。3時半頃に気づいて入浴、就寝。
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昨日ほどではないが比較的早く帰宅。夜は泡盛のお湯割りを飲んで過ごす。
「アンフェア」は新たな連続殺人の話になり、まだ今後の展開が見えない。全13回なのかなとこの間書いたら、友人に全11回と教えてもらえた。今日をいれてあと3話。尻すぼみに終わらないで欲しい。
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宮沢章夫の『サーチエンジン・システムクラッシュ』を読了。出版時にタイトルを知ったときから興味を持っていた。最近、新刊で『レンダリング・タワー』が発売になったのでふと思い出した。『レンダリング・タワー』の方は小説ではなくて、「MAC POWER」に連載していたエッセイらしい。
『サーチエンジン・システムクラッシュ』はタイトルから想像していたのと全然違った話だった。今、「サーチエンジン」といえばgoogleやyahooのWeb検索を思い浮かべる。そしてシステムクラッシュとくれば、コンピュータ的な世界を思い浮かべてしまう。そういうコンピュータ的な世界と舞台やエッセイで知る宮沢章夫の世界との接点が思い浮かばなかったから、初めてタイトルを聞いたときに興味を惹かれたのかもしれない。
物語は、主人公の「僕」が大学時代の友人「首藤」の事件について知ることから始まる。首藤は友人というには微妙な位置づけで、二十年前大学で「虚学」という同じゼミを取っていた仲間の一人だった。七年前に偶然会ったことが思い出されるが、それ以来交流はない。その首藤の起こした事件は殺人事件で、彼は弁護士に殺害の状況を詳細に語ったという。その語り口が、「虚学」ゼミの講師だった男の語り口なのではないかと思い始める。「僕」はそういう断片的な記憶から、なぜか最後に首藤にあった場所へと向かい始める。
冒頭の数ページで首藤についての「僕」の記憶が語られたあとは、コンピュータも検索エンジンも出てこないまま、「僕」の行く先々で首藤との記憶にまつわるような出来事にぶつかり、まるでハードボイルド小説のように物語に巻き込まれていく。混乱した記憶は思い出すうちに不確かになっていく。初めに探していたことはいつの間にか別のことに変わっていて、いつしかまた別のものを探し始めている。
これって、何かに似ていると思ったのは半分くらい読み終えた頃だと思う。googleなどで何かを調べていたはずなのに、気がつくと全然違うものを追いかけている、あの感覚に近い。宮沢章夫の意図と一致しているかは知らないが、ふと思ったのは主人公のこの行為自体がまるでサーチエンジンを使っているかのようだ。
もうひとつ感じたのは、二十年前の、七年前の、そして今現在の記憶は、簡単に曖昧になり、何が正しかったのかほんとうにそうだったのか段々判らなくなっていく。記憶を探るという行為の曖昧さ、それがまたサーチエンジンで検索したときにいろいろな結果が帰ってくる曖昧さに似ているような気がした。
そしてサーチエンジン・システムクラッシュというように、「僕」の探す行為は破綻する。
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いつもと同じ一日。本は『ミスター・ヴァーティゴ』(ポール・オースター 新潮社)を読み始める。
『ミスター・ヴァーティゴ』の翻訳が出ていることはつい最近まで知らなかった。最近リアル本屋でチェックしていないから気づかなかったのかと思っていたのだが、奥付を見たら2001年12月発行になっている。この本の出版を知らなかったというのも不自然なので、気づいたのにそのあと記憶の底に潜ってしまっていたとしか思えない。それもまた理由がわからなくて不思議なことだが。
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一日外出。湯島で「ESP科学研究所」というのを見かける。貼るだけで心身の悩み・苦しみから解放される「エスパーシール」と生活や事業が好転し、幸せを招くという「ワンダーシール」を売っていた。サンプルを貰って行ったら、何もしないのに二件の追加注文を受けてしまった。
読書は引き続き『ミスター・ヴァーティゴ』(ポール・オースター 新潮社)。
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午前中外出、神保町の蕎麦屋で食事。最近蕎麦屋にあまり行っていないので、嬉しくはあるが、昼間なので酒を飲めないのが残念。いや、蕎麦屋って昼間から酒を飲んでもいい店だけど、午後も仕事があるからね。でもメニューには酒がなかった、どういうことやねん。ビジネスマンの利用が多いってことだろうか。
夜、二年前ハードな仕事を共にした仲間と飲む。なぜか関係ない人が合流して、始まり時点では関係ない人の方が多いという奇妙な事態。
ひたすら生ビールを飲んでいたのだが、何杯飲んだか不明。生ビールだけでべろべろに酔ったので、たぶん10杯くらい飲んだんじゃないかと思う。
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昼頃起床。食後、どうも調子が悪い。睡眠時間は足りているはずなのにものすごく眠い。夕方まで仮眠をとろうと思ってベッドに入ると、そのまま21時まで昏々と眠り続けた。
起きてみるが、鼻水が出て止まらないし、なんだか頭も重い。1時間くらい起きていたが、どうやら風邪みたいなので、薬を飲んでさっさとベッドに戻る。
完全休養の一日。
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昨日の夜、寝なおしてから、夢をたくさんみたが、途中目を覚ますことなく朝まで眠った。
6時頃目を覚まして、もういい加減寝たくない気がしたが、そのまま眠ろうとしたらいつの間にか眠りにつく。10時半頃、再び目を覚ます。いい加減起きてもいいだろうと思って起きだしてみた。鼻水はまだ出るが、だいぶ快適。
朝昼一緒の食事。Webを見たり、日記を書いたりする。
夕方から『レンダリング・タワー』(宮沢章夫 アスキー)を読み始める。
先日宮沢章夫の『サーチエンジン・システムクラッシュ』を読み終えた。そもそもこの本を読むきっかけは、新刊で『レンダリングタワー』が出たことを知ったからなのだが、最初は『レンダリングタワー』も小説なのだとばかり思っていた。
宮沢章夫といえば、『牛への道』とか『わからなくなってきました』という傑作エッセイ集の著者であり、『サーチエンジン・システムクラッシュ』で小説を書いたときにはほおっと思ったものだが、『レンダリングタワー』というタイトルは、エッセイ集のタイトルというよりいかにもその小説の続編っぽいタイトルではないか。
そんなわけで、『レンダリングタワー』を読むなら、やっぱりまだよんでいなかった『サーチエンジン・システムクラッシュ』から読むべきだよな、などと思ったのだった。
続編でなかったとしても、やはりタイトルもコンピュータ的なので、テーマとか思想が一貫しているんではないかという気がしたのである。
しかし、実はこの『レンダリングタワー』は「MAC POWER」に連載していたエッセイ集だった。
エッセイ集だと知ると、オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』もまだ読書中だが、エッセイ集なら軽いノリで読めそうだと思い『レンダリングタワー』に突入してみた。
知らなかったが、宮沢章夫はMACユーザだった。「MAC POWER」に連載していたくらいだから、当然といえば当然なのだが、宮沢章夫のことであるから、MACってハンバーガーしかしらなかったとかいいながらWindowsの話を延々と書いたりすることもありそうなので油断はできない。しかし、ページを開くと、「Apple & Mac」「iPod & iTunes」「Video Editing」「Akihabara」「User Support」「Personal Computer」「Internet&Mail」「あとがき」という中見出しが並んでいて、それぞれに数編ずつ(たぶん連載1回分)の文章が収録されている。
最初のApple & Macが全体の約3分の1くらいを占めている。中身は中見出しに反することなくAppleとMacの話だった。なるほどAppleファンなんだ、Macファンなんだと思って読んでいると、いつのまにか変なことになっている。実は本当は宮沢氏はAppleもMacも嫌いで憎んでさえいるのではないか。それを笑いに変えているのではないかと思えてくる。いや、それもまた愛情の裏返しなんだろうな。
そんな調子で「iPod & iTunes」を読み始めると、iPodは持っていないといいながらエッセイが一本書かれてしまう。やってくれますよ、宮沢さんは。そういや、Apple & Mac編でも、行ったことのないApple Store, Ginzaで一本エッセイが書かれていたっけ。
そして読書は続く。
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朝持って出かけた『レンダリングタワー』(宮沢章夫 アスキー)、仕事場に着く前に読了。何か間違っている。
一日仕事、21時半くらいに帰る。
読書は、今度は『チェケラッチョ』(秦建日子 講談社)を読む。
テレビドラマ「アンフェア」がなかなかよくできているので、原作の『推理小説』の作者である秦健日子が最近気になっているのは何度か書いた通り。もっともドラマ「アンフェア」では、脚本の佐藤嗣麻子の方がさらに気になってはいるけれど。
そんなわけで、『推理小説』を読みたいと思っている今日この頃だが、同じ秦健日子の小説『チェケラッチョ!!』が発売になったので、純粋に小説を読んでみようと思ったのだ。
まだ、最初の30ページほど、第1章しか読んでいないので感想は後ほど。しかし、楽しい青春小説で、この調子だと、あっというまに読み終わりそうだ。
ちなみに、帯によれば、4月には映画化されるとか。
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「アンフェア」10話。いよいよ次回は最終回。結末に向けて、予想通りのフェイクが続くなぁと思いながらも一瞬騙されそうになったりする。単純に怪しいと思っている人間が二人いるけれど、きっちりできているだけに録画を見直して確認すると、犯人は一人しかありえない。うまいなぁと感心。とかいって、違う人間が犯人だったりしてね。そうしたらそこそアンフェアだと激怒するけど。
読書は『ミスター・ヴァーティゴ』(ポール・オースター 新潮社)に戻る。夜、飲みに行ったりして、時間がなくてあまり進まない。
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読書せず。昨日飲みすぎたか、風邪か、日中は頭痛、夕方から胃がむかつき、夜は肩凝りが酷い。
最近サイトがボロボロなので、ちょっと整備。
露地録の記事がかけないまま開店休業状態なのをせめてインデックスだけでも張ろう思って数ヶ月。コンテンツの分け方など、ついに納得いく形になったと思ったのだけど更新できないのでは話にならない。コンテンツを分けずに日記だけにして置けばよかったのかと反省。
とりあえず、露地録として分けたものが直接リンクを辿って読めない状態なので、うたかたの日々いれる。5月以前は以前のサイト形式のままなので、組み込めていない。こちらもサボってないでちゃんとしなくちゃ。トップの最新表示もなくした。露地録自体もなくす方向かはもうちょっと考える。必要なのは、インデックスなんだ、きっと。
アンテナが最近ずっと表示されていないが、これははてなのRSSの表示が変わったのだろうか? 原因を調べていないので、しばらく空欄が続くかも。そのうち暇ができたら調べる。
妄想手帖はデータ件数が少なくてトップに何も出なかったり、月別htmlを作り忘れていたりしてたのでこの辺もちょっと直す。
掲示板は突然スパム投稿が続きチェックを厳しくしてとりあえずスパム投稿は回避。でも、そのために表示順が微妙に変な感じ。古い発言が、コメントのために上に上がってきている。掲示板はサイトの性質上なくてもいいのかなという気がしていて、そのうちまたはずすかも。
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