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2008年6月後半
また仕事三昧の日々が始まる。読書は『ナイフ投げ師』(スティーヴン・ミルハウザー 白水社)を読み始める。夜、「CHANGE」第6話を見る。
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キヨスクで「週刊東洋経済 6/21号」の特集タイトル「最強の『読書術』」が目に留まる。「読書術」ってなんとなく惹かれるんだよね。特大号で620円、特集数ページのためだけに文庫本一冊買える値段というのは高いと思ったけどやっぱり買う。
内容をパラパラ見ると、インタビュー記事で達人として紹介されている6人のうち3人は、『レバレッジ・リーディング』の本田直之、『年収10倍アップ勉強法』勝間和代、『三色ボールペン情報活用術』の斎藤孝で、この3人の「読書術」は既に知っている。というかだれでも知ってる有名どころを集めたというところか。むしろ他の3人(佐藤優、三輪裕範、池田信夫)を知らないし、他の「読書術」記事と合わせてたまには贅沢しようかという感じで。
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「ホカベン」最終回を見る。以下ネタばれを含む。
前回に続き、杉崎(北村一輝)への懲罰的損害賠償訴訟の話である。訴えを起こした不破弁護士(勝村政信)は前回の最後で何者かに刺されたが、不破に代わり堂本(上戸彩)が杉崎と戦うことになる。
このドラマ、毎回裁判に勝ってもちっともすっきりしない。これほどカタルシスのないドラマというのも珍しい。果たして今回、堂本はこの裁判に勝つのか。物語では、このような裁判で弁護士が負けたことはない、というより負けるようなら杉崎一人の問題ではなく、弁護士という商売自体が成り立たなくなるという。だがそれこそ杉崎の目指しているもので、杉崎は今回の裁判で杉崎が負ければ、世の中が変わると思っている。
さてそんな裁判の結果がどうなるのか、気になる最終回であるが、裁判の核心に入る頃には残り時間も少なくなっている。まさか、このまま裁判の結果がないわけじゃないよなと思う。時間は一挙に飛んで、判決の日になる。判決を前にエンデングが流れたりして、最後に判決の場面となる。裁判官が、判決文を読み上げる。「主文、」とそこでブラックアウト。
毎回、カタルシスの得られない結末だったけど、これはまた別の意味でカタルシスのない終わり方だ。というか、終わっていないだろう。スペシャルでもやって、続きを見せてくれ。
『どついたるねん』のラストシーンを思い出した。こちらは、反対にうまい終わり方だと思ったけど。
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「おせん」第9話を見る。
おせん(蒼井優)が殴打事件を起こしたという。理由は当然料理がらみで、鰹節の種類の違いを客が気付かないからと品物を変えて売っているのを知り、カッとしてしまった。この殴打事件の話が続くのかなと思っていたら、これはほんの話のきっかけでしかなかったのがちょっとがっかり。どんな展開になるのか期待していたので。
これがきっかけで始まる話は、壱升庵がずっと使い続けてきた本枯節を作っていたヤマジョウの親父さん(夏八木勲)が、本枯節を作るのを止めると聞く。なんとかならないかと、おせんはヤマジョウの親父さんを訪ねるが、鰹節パックのビジネスをする会社に工場を売るつもりであることを知る。商売にならず、今では借金もかさみ、それしか方法がないのだった。
いつもどおり、料理で心を動かせるのかと思っていたら、金の話ではどうにもならない。そう思っているうちに終わりに近づき、次回に続く。しかも次回は最終回。次回が楽しみだ。
「おせん」って、主人公はおせんなのに、おせんの時代遅れなこだわりが必ずしも正しいとは限らないというか、どうにもならなかったりする辺りが面白い。普通に考えたら、次回は壱升庵の料理で鰹節パックの会社の男(加藤雅也)−−ヤマジョウの親父さんが目指していた鰹節名人の息子が、その味に心を動かされるんだろう。伏線で、よっちゃん(内博貴)が「今週の料理」として出てきた茶節をイベント的な目玉料理を探している昔の仕事仲間に紹介していて、ヤマジョウの鰹節も買い手がついて、大団円。なんだけど、そういう単純な話にならないのが「おせん」のような気がするので、楽しみなのである。
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疲れ切っている。
朝、6時には目を覚ますが、起きてすぐに活動する気力が出ない。だらだらと短時間の二度寝、三度寝を繰り返して、それでも7時半にはそろそろ起きないと間に合わないと無理やり起きる。朝食、朝風呂。そして出かける。
夜は映画を観にいくのだと決め、それを目標に仕事を片っ端から片付けていくが、気がつけば21時になっている。そのまま真っ直ぐ帰る気にならず、飲んで帰る。
各駅停車の電車は、金曜の夜の決まりごとのような遅れで30分も余計に時間をかけて着く。2時過ぎに家に着く。音楽を聴きながら、Webを巡回し、寛ぐ。すでに時刻は3時を過ぎている。たぶんいま重要なのは、早く寝ることなのだ。
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『ブランドの達人 改訂版』(ブランドデータバンク ソフトバンククリエイティブ)を読む。いや、読むという言葉は正しくないかもしれない。最初から通して読むのではなく、面白そうな部分を眺めてたり拾い読みして、先に進んだり戻ってみたりする。一通り目を通して、一応もう満足と思ったのだけれど、感想というか思ったことを書こうとしてまた拾い読みしていろいろ考えだす。というわけで、書きかけた文章は完成せず、また日記停滞の原因となる。文章を書き終えるまで、まだ少し繰返し読むことになるのかもしれない。
『やっぱり変だよ日本の営業』(宋文洲 日経BP企画)という本も読む。これは、この間読んだ『情報探索術』(関口和一 日本経済新聞社)の中で、日本で有名な「ホウレンソウ」−−報告、連絡、相談が大事だということで、その頭を取った言葉−−について、「ホウレンソウはやめなさい」と書いているというので、他にも面白いことを書いているかなと思って読んでみることにした。期待したほどではなかったが、ちょっと面白い話がいくつかあったので、またボルシチノートで引用しようと思う。
最近週末は、すぐに読める新書とかビジネス書とか読む。こういう読書も面白い。あんまり難しいと頭に入らないので、新書辺りがちょうどいい。
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週末は疲労回復に努めるのがもう一つの習慣。昨日もだらだら過ごしたが、今日もまただらだらと過ごす。何冊か本をパラパラめくるが、あんまり読む気にならずただページを繰るだけ。
録画で「二十面相の娘」を見る。今回は「白髪島」というタイトルで、乱歩の『白髪鬼』を思い出すようなタイトルに少し期待して見る。二十面相一味が大虐殺される話から久々に現れたケンが屈折した思いに人が変ってしまっているらしき前回の話も気になっていた。しかし面白くなかった。今回、また今後も出てきそうな新たなキャラが登場するが、まあその紹介というところか。
面白くないのは、なんだか話の平仄が合わないからだろうか。今回島に行くことになったのは、チコが偶然見た映画の予告の中で、二十面相の宝石が使われていたからだった。ところが、島に行ったチコをその宝石を元におびき出そうとする新たなキャラが登場する。映画でその宝石を使わせたこと自体が計画だったとか、そのことをチコに伝える何か手段があったとかそんな説明は出てこないし、どうもそうではないみたいだ。チコが島についてすぐにその宝石が盗まれて人が殺されたりとか、事件は起こるがその事件に対するミステリ的な話はほとんどなくて、結局はその謎の新キャラの話がやったことだというだけ。
かつてあまりに予想外の展開にちょっと気になりだしたが、毎回こんな感じの矛盾だらけの一話完結のエピソードが続くだけだと続けて見る気がなくなってくる。
午後はほとんど疲れが出て寝て過ごす。夜、新宿ミラノに『ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛』を観にいく。カスピアン王子の吹く角笛に、こちらの世界からナルニアに通じる扉が開き四人は再びナルニア国に戻ってしまう。しかし、それは1300年も経ったナルニアで、城は廃墟と化しナルニアの民はひっそりと隠れ住んでいた。戻った四人がカスピアン王子と力を合わせて、ナルニアの復活を目指すのだろうというのは始まってすぐにわかる話だが、カスピアン王子がナルニアの民に信じられるまで、四人がカスピアン王子に出会うまでにもいろいろあったりして、退屈しない。
ようやく集結してどうするか考えるところで、相変わらずといっていいのか、ピーターが若干暴走気味でまたまた失敗かみたいな展開で、いくら成長の過程でもこれはちょっと簡単に失敗といってすまされないんじゃないかという気がするのがなんとも。ピーター以外にも、カスピアン王子もエドモンドもいろいろしくじって、戦争でこんな子どもみたいな失敗−−いや実際子どもなんだけど−−していていいのかという疑問も。
とはいいながら、終わってから2時間半くらい経っていたことに驚く。そんなに長いと思わないくらい楽しんで観られたのであるが。
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月曜から疲れ切っている。どうもよくない。
『人類は衰退しました』(田中ロミオ ガガガ文庫)を読み始める。なんとも脱力系なゆるい物語だけど、面白い。半分ほどで一つのエピソードが終わる。残りは明日。
「CHANGE」第7話を見る。キムタク総理降ろしの画策が始まる。いよいよ核心なのだろうか、毎回一話完結してきた「CHANGE」だが、今回は次回へ続く終わり方をする。全10話ならあと3回、次回からは一話完結でなく結末まで一気に話が展開するのだろうか。
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深夜に帰宅。晩御飯を食べていなかったので0を回ったけど、食事。ビールも飲む。疲れているとやっぱり飲まなきゃやってられないという気分になってくる。朝もすっきり起きられないし、肩凝りは慢性的だし、そろそろ体力の限界だろうか。
読書は昨日に引き続き、『人類は衰退しました』(田中ロミオ ガガガ文庫)を読む。後半の話を読んで読了。人類がその数を減らし、科学技術などもだんだんと失っている未来。ヒトは、地球から人類としての地位を明け渡し、今や新たなる人類とされているのは「妖精」である。その時代、学校教育制度の最後の卒業生となった主人公「わたし」は故郷へと帰ってきて、「調停官」となる。「調停官」として、妖精たちとの良好な関係を作ろうとするのだが、妖精たちの行動は計り知れず、「わたし」は戸惑うばかりであった。
というわけで、妖精と「わたし」のボケ漫才みたいな話が続くのだが、これがゆるくて脱力系な話なのだが、不思議と心地よい。発売当時話題になったけれど、ふと気付いてみたらもう3巻まで出ているのね。暇を見て、続きをまた読んでいこうと思う。
テレビは「おせん」の最終回を見る。鰹節の職人と鰹節パックの大企業の前回からの続きの話で、しかも最終回なので気になっていた。結論からいうと、展開はある部分はあまりに当たり前なくらいの展開にかえって予想外、そして予想外になるだろうと思っていたところは予想通り予想外(って何言ってるんだ)で面白かった。しかし、結末はちょっと曖昧で、そんな風にぼかさずに白黒つけて終わってほしかった。「ホカベン」の結末ほどではないものの、やっぱり納得感の乏しい終わり方だった。曖昧な結末は、今クールのドラマの流行りなのか。
以下、もうちょっとネタバレ的に、内容に触れながら話を続ける。
予想通りで予想外というのは、メインの話だと思っていた鰹節職人の話で、ヤマジョウの親父さん(夏八木勲)の工場を買い取ろうとしている大企業の鰹節王子(加藤雅也)を壱升庵へと招く。鰹づくしの料理を出して、もう一度考え直してもらおうというわけだが、壱升庵の料理で心が動くのはいつものパターンで、そうは簡単にいかないのだろうと思っていたら、簡単に心を動かされていきなりヤマジョウの親父さん側に変わってしまったので驚いた。あまりに犯人が犯人らしいのでまさかこんな人物が犯人ではないだろうと思っていたら本当に犯人だったというミステリみたいだ。
というわけで、二話連続で続くと思った話はあっさり冒頭で解決するが、今度はその大企業(エンプール)の社長(内藤剛志)が壱升庵やその周辺の再開発をもくろんでいたという話に続く。銀行から壱升庵の借金を即返してほしいという話があり、一方でエンプールの社長は壱升庵の土地を買い取るという。壱升庵の危機である。
前回、よっちゃん(内博貴)が、ヤマジョウをなんとかしようと、茶節を先輩の店の料理として勧めていたが、その結果として料理は受けたけど先輩が肝心の鰹節をヤマジョウと違う名前で憶えていて無駄に終わったことがわかる。今回の壱升庵の危機−−エンプールの再開発では、エンプール系列店の不正を見つけて証拠を掴むのだが、おせん(蒼井優)はその不正については暴くのではなく正してほしいといわれたり、よっちゃんの一見クリーンヒットと思われる作戦はことごとく失敗に終わる。このあたり、伏線っぽくほのめかしているので、これで解決に向かうのかと思わせておいて全然そうならないあたりが予想外。さらには社長の息子がどうもきっかけになりそうに見えて、最後に社長と息子を壱升庵に招くことになるが、ここで何かが変わるのだと思っていたら、息子はケチャップの味しか分からず、すべての料理にケチャップをかけてしまうという予想外の展開。壱升庵の料理に感動しないどころか、味がしないと平気で言う始末。いろんな解決策がありそうですべて解決に結びつかない、これでどうやってこの危機を乗り切るのか、というあたりが予想通り予想外だった。
しかしそのどうやって乗り切るのか、最後に事態を変える何かが起こるのだと思っていたら、その何かは描かれないまま、数年後の壱升庵というエピローグになってしまう。結局壱升庵はまだ続いている。しかしやっぱりここは何があったのか見せてほしいところではないか。密室の謎解きのないまま犯人が捕まって終わるミステリみたいではないか。まあ、ケチャップの味しかわからない息子の姿に、社長の心が動かされたというのであって、敢えてそこを省略したのかなという気もする。そういうところが「おせん」らしい終わり方なのかもしれない。
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朝目が覚めると一向に疲れがとれた気がしない。あっという間の睡眠時間。ダブルブッキングの打ち合わせが2つあり、片方に出席して一方に途中から参加とか、いろいろ調整をしようとしていたら、随時中止の連絡があってダブルブッキングが解消したり、あれやこれややるべきことをとにかく端から片付けようとするが、いつまで経っても終わらない感じがする。というか、終わっても終わっても、新たなタスクが増えていく。というわけで、気がつけば23時で、時間切れで帰宅する超高速な一日。
だが、一方で超低速な日々でもあって、週末のような気がするのにまだ水曜日でしかない。昨日の出来事がまるで一週間前のように感じる。たぶん、あまりにいろんなことを並行処理しているからだろう。時間の過ぎ方がとても奇妙だ。
読書は、『ニューヨークでがんと生きる』(千葉敦子 文春文庫)を読み始める。相変わらず、ものすごいバイタリティに驚かされながら、そしてニューヨークへの引越、ニューヨークでの医療事情などにも驚きながら読む。
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朝から打ち合わせ。午前中の予定が昼休みのないまま14時まで続く。しかし、今日は14時半から別の打ち合わせで、その打合せには14時15分までに別の場所に行かなくてはならない。約10分の道のり。打合せのあと、コンビニでパンを2個買って、歩きながらパンをかじる。小雨の中、傘をさして、パンをかじりながら歩く。幸い人通りは少ない。しかし、一体なんで僕はいまパンをかじりながら歩いているのかと考える。
23時まで仕事をして帰宅。電車の中で、今日も『ニューヨークでがんと生きる』(千葉敦子 文春文庫)を読む。あまりに前向きな姿勢にすごいと思いながらも、時々可笑しくなる。15分も読んでいると睡魔が襲ってきて読書は続けられない。
0時半、帰宅して缶チューハイを飲む。もうすぐ3時。
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長い一週間だった。月曜日に何があったか思い出せないくらい昔のことに思える。23時まで仕事をして、最後の快速で帰宅。帰りにコンビニで缶ビールと缶チューハイ、どちらもロング缶を買って帰る。音楽をかけて、飲みながらWebを巡回する。気がついたら眠っていた。
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新宿ミラノで『[●REC]』を観る。『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『クローバー・フィールド』にも似た、全編ビデオによる記録という設定で撮られた映画である。スペインで大ヒットしたらしい。
少し前に『クローバー・フィールド』が公開された時には、『ブレアウィッチ・プロジェクト』同様に酔うというのが注意事項で出ていたが、この映画ではそういう話はなく、実際観ていてほとんどカメラのブレによって気分が悪くなるということはなかった。この映画では、テレビ局の取材で消防署に撮影に来ているという設定のせいか、事件が起こるまでの画面は安定しているし、事件が起こってカメラがいろんな場面を追いかけていっても、それほどぶれたりしない。何が起こるかを言ってしまうとそれも一種のネタばれになるので、観るつもりの人は以下を読まない方がいいと思う。
物語は、既に書いたようにテレビ番組の消防署の取材から始まる。編集前の録画そのものという形になっていて、冒頭で主人公の女性レポーター、アンヘラが喋りをとちってやり直したり、署内を案内してもらうところでカメラマンに向かって「詰らなかったら止めて。テープが無駄だから」と小声で話しかけて、そのままインタビューが続くなども、面白い趣向だ。ちなみにカメラマンはパブロというが、全編顔が映らない。消防署の24時間を取材しているが、何も起こらない夜の消防署は退屈極まりないことから、何か事件が起こらないかと不謹慎なことをアンヘラは言う。
その願いがかなったかのようにアパートからの通報があり、消防士たちは救出任務につくことになる。アンヘラとパブロも消防士たちの車に同乗して現場へと向かう。現場には警察も来ていて、住人達は1階に集まっている。二階で一人暮らしの女性が「人殺し!」と叫んでいたなどの断片的な情報を得る。実際のところ何があったのかはっきりしないが、とにかく女性を救おうと、警察官、消防士がとともにアンヘラとパブロも取材をしながら後を追う。
部屋には血まみれの老婆が一人いるが、どうも様子がおかしい。老婆を落ち着かせながら連れて行こうとするが、突然老婆は凶暴になり警官にかみつくのだった。なんとか老婆を引き離したものの、警官は瀕死の重傷を負っていた。早く病院に連れて行こうと、階下に警官を運ぶが、なぜかアパートは封鎖され、外からは建物の外に出てはいけないという警告の声が聞こえてくる。謎の老婆の奇行、瀕死の警官、理由のわからない建物封鎖、人々はパニックに陥って、なんとか外へ出ようとするのだが。そしてアンヘラは、すべてを記録するのだとパブロを焚きつけ、続く悲惨な事件を淡々と記録していく。
老婆がかみついたあたりから想像はつくが、噛まれた人物も何かに感染して老婆と同じく凶暴化する。閉鎖された空間での一種のゾンビもので、逃げ場の限られた空間の中で徐々に閉じ込められた人々がゾンビ化して行くのである。カメラでの撮影となったときに、どうやって最後まで映像を見せ続けるのか、どういう風に終わらせるのかがポイントだと思う。そして、一体何が起こってこういうことになったのかという理由の説明もほしい。その点、カメラが最後まで撮り続けることができるのも比較的自然に、何が起こったのかの理由もちゃんと映画の中で説明をつけていて、終わり方もまあいいかなという終わり方だった。
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同じく新宿ミラノで『僕の彼女はサイボーグ』を観る。
そんなに期待していなかったので、まあ期待通りといったところか。ちょっと好きなのは、タイムパラドックスものになっているところだが、同じくその部分がいろいろ気に入らない部分でもある。タイムパラドックスものだと、過去が変わると未来が変わるのと、過去の出来事の無数の可能性のパラレルワールドが未来になっているものと大別できるが、この話の場合後者だと思われるが、それなのに時間軸で過去と未来に矛盾があるように思う。
以下ネタばれになるかもしれないことも含めてあらすじを少し。物語は一年前に突然現れた女の子(綾瀬はるか)との思い出の回想から始まる。映画を観ている限り、彼女の登場の仕方、服装などからこの娘がサイボーグだと思われる。そして謎の言葉を残して去っていくが、彼女はこれから描かれるラブストーリーのあとの未来からやってきたのだなと簡単に想像がつく。もちろん、主人公のジロー(小出恵介)は気付かないわけだが。
一年後、再び彼女に出会えないかと思っているジローのもとに再び彼女が現れるが、かなりロボット的である。なぜ彼女がジローのもとに現れたのかの説明もされる。ジローと過ごすことによって、彼女は学習しだんだん人間らしくなるという説明もあり、一年前(実際には未来の)彼女が今よりずっと人間らしかった理由もわかり、なぜ一年前に戻ってきたのかが謎のまま話は進んでいく。あとは人間とサイボーグのラブコメになる。だが、ジローが恋愛感情を持ち始めても人間的な感情が生まれてこない彼女にジローは酔った勢いで自分の前から消えろと言ってしまう。そして姿を消す彼女。ここで、一年前のシーンで分からなかった言葉の意味がわかる。
そして大地震が起こり、ジローに危機が訪れると再び彼女が助けに現れる。ここで起こる出来事が、心は通じ合えるが同時に別れとなってしまうアンハッピーエンド。と思ったら、そこで話は終わらない。そもそもここで話が終わってしまうと、一年前の出来事につながらないではないか。
というわけで、もうひとひねりあって、それですべてのつじつまが合い、そしてハッピーエンドとなるのだが、それってそれでいいのか。以下、あらすじは書かないので、観ていない人にはわからない話になる。無数の可能性のパラレルワールドの未来という設定にした時点で、不幸なジローは不幸なまま終わり、ハッピーなジローはハッピーになることを余儀なくされるのだから、仕方のないことなのかもしれない。でも最初のジローは単に不幸なまま終わり、二人目のジローはちょっとハッピーな時間を過ごすが、結局彼女の死によって残りの時間を彼女の再生にのみ費やしてしまう。最後にたくさんの彼女と過ごせてハッピーな人生だったと思えたかもしれない。でも、三番目のジローだけが、本当の意味でのハッピーエンドを迎えて、それでハッピーエンドっていうのもなんだか似非ハッピーエンドという気がしてなんともしっくりこない。
ただ視点を変えて、彼女の立場から見て、『私の彼はサイボーグを愛した男』であれば、もしかしたらハッピーエンドといえるのかもしれない。もっとも、サイボーグの彼女からするとジローとの愛を育んだのに横取りされてしまう気もするし、サイボーグが育んだ愛を横取りする人間という気もしないでもない。二人の彼女を同一視することで、ピノキオ譚として人間になりたかったサイボーグが人間になれたと考えれば、文句なしのハッピーエンドなのだがやっぱり二人の彼女は同一視しがたい。そんな風にいろいろ考えるのは楽しいが、物語としてはやっぱりなんとも納得できないハッピーエンドである。
話は変わって、気になったことを二つ。
故郷に帰ったジローが、宝物の缶を開けると中にメンコが入っていて、それが「ジョー90」だったことに時代設定のずれを感じた。「ジョー90」は僕が子供のころに夢中になって見ていたので、2008年に大学生のジローのおもちゃには古すぎる。そう思っていたのだが、人間の彼女がサイボーグの記憶チップからサイボーグの記憶を体験するシーンを見て、これ「ジョー90」の引用かもしれないと思った。「ジョー90」のメンコは意図したものだったのかもしれない。
人間の彼女を同級生の女の子が呼びに来るシーンで、声を聞いただけで吉高由里子だってわかった。あの声というか喋り方には特徴がある。ほんの一瞬のシーンなのに強い印象が残った。「あしたの喜多善男」で初めて認識して、いいなぁと思ったけど、ちょっと注目した方がよさそうだ。
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昼近くまで寝坊。やることが満載でどうしたらわからなくなるが、やることをリストアップして、思考停止、何も考えずに上から片付けることにする。
そんなわけで日曜日なのに仕事に出かけたりいろいろ。読書は『モザイク事件帳』(小林泰三 東京創元社)を読み始める。
録画で「二十面相の娘」を見る。前回出てきた謎の白髪の人物が再び出てきて、チコの命を狙う。次回予告では、チコとこの白髪が戦っていて、「怪人対魔人」というタイトルだったのだが、白髪が魔人だとすると、怪人は二十面相? チコが二十面相を継ぐ者っていうことなんだろうか。
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疲れが出たのか寝坊。少し遅く出かけたら、今度は電車事故で利用している地下鉄が止まっている。迂回してなんとかたどり着いたが、午前中の時間がすでに2時間のロス。日曜日、1時間半だけでも仕事を進めておいてよかった。ひたすらTOTOリストを上から処理してあっという間に過ぎる午前中。昼飯はパンでもかじりながら仕事をしようかと思っていたが、普通に食事をすることができる。午後もまた仕事に追われる。夜、送別会に2時間遅れで参加。
いくら月末とはいえ、ドタバタな一日。明日も似たようなものか。
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読書
38.『ウォッチメイカー』(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)
39.『ニューヨークの24時間』(千葉敦子 文春文庫)
40.『情報探索術』(関口和一 日本経済新聞社)
41.『フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!』(小川浩 ビジネス社)
42.『ナイフ投げ師』(スティーヴン・ミルハウザー 白水社)(継続)
43.『ブランドの達人』(ブランドデータバンク ソフトバンククリエイティブ)
44.『やっぱり変だよ日本の営業』(宋文洲 日経BP企画)
45.『人類は衰退しました』(田中ロミオ ガガガ文庫)
46.『ニューヨークでがんと生きる』(千葉敦子 文春文庫)
47.『モザイク事件帳』(小林泰三 東京創元社)(継続)
映画(劇場)
21.『シューテム・アップ』
22.『ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛』
23.『[●REC]』
24.『僕の彼女はサイボーグ』
映画(DVD等)
12.『北北西に進路を取れ』
テレビドラマ
・「篤姫」
・「ホカベン」7〜10(終)
・「CHANGE」1〜7
・「おせん」7〜10(終)
・「古畑中学生」
テレビアニメ
・「二十面相の娘」7〜11
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月末のドタバタは続く。月末処理は本当の意味では末日には処理できないわけで、翌営業日が実質上の月末処理の締め日となる。昨日できなかったことをしゃかりきになってやっと6月が終わった気がする。いや、終わったというのは気のせいかもしれない。
考えてみれば、6月が終わると今年も半分終わったということだ。今日から2008年の後半がスタートする。半年の間にやりたかったことはできたのか、なんだか全然できていない気がする。
「CHANGE」第8話を見る。神林(寺尾聡)の画策で補正予算案は否決され、それに関係あるのかないのか朝倉(木村拓哉)は失踪。キムタク総理の仲間たちは、総理の失踪を隠しつつ探そうとドタバタするというコミカルな始まり。一度は落ち込んだキムタク総理だが、自ら復活する。今やキムタクを支持する側に回った小野田(中村敦夫)たちは、裏で総理降ろしを画策した神林を罷免するように勧める。
普通ならここで罷免するのだろうが、それではキムタク総理っぽくない。どういう対応に出るのか、そのとき神林はどう出るのか。キムタクが罷免と反対の行動をとったとして、神林は心動かされるような人物ではないだろう。キムタク総理の無垢な対応っていうのはもう想像がつくので、そのとき神林=寺尾聡がどう出るかが楽しみ。
結果としてはそんな想像通りだったので、面白かったけれどもうひとつ物足りない。そろそろ最終回が近いので、もっと過激に急展開とかほしいところ。
見ていたドラマがあらかた終わったとはいえ、まだ「CHANGE」が続いているので新番組はまだ先のつもりでいたのだが、いつのまにかもう今週から始まる夏のドラマもある。脚本家の名前で見たいと思うのが今のところないので、どうしようかな。一応、「コード・ブルー」と「魔王」はチェックしてみようと思っている。
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