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2002年5月後半
トピックスなし
何も思いつかない。今日は一体何をしていたんだ!
ABC参り
今日もまた恒例のABC参り。この間1冊しかなかった古屋兎丸版の『自殺サークル』(古屋兎丸 ワンツーマガジン社)が平積みで置いてあったので購入。HTML辞典の新しいのも一冊くらい持っておきたいと思ってアンク編集の『HTML辞典 第5版』(翔泳社)を買う。IE6.0、Netscape6.2対応版。Webでブラウザの使用比率なんかを見ると、IE6.0のシェアが30%くらいになっているのだが、うちのアクセスリストを見ると0%ってのはどういうことなんだろう。ところで、うちは6.0で正しく表示されているんだろうか。
あと、『ハリー・ポッターと賢者の石』のDVDが定価より安く売ってるのでつい購入する。今、ルミネで買い物すると10%オフなのでさらに安くなるはず。『ハリー・ポッター』の映画は原作に忠実という以外では可もなく不可もなく、1回見たからいいやと思っていたのだが。
『自殺サークル』 古屋兎丸
帰りの電車で古屋兎丸版の『自殺サークル』を読む。あとがきを読むと、漫画化を園子温から直接依頼され、『自殺サークル』が傑作ゆえに同じものを描くのは気が進まないと話したところ、全く違うもので構わないと言われ、引き受けたという。冒頭の集団自殺シーンはほぼ同じだが、あとは確かにかなり違う。DESSERTというミュージシャンや掲示板に書き込みをするコーモリという人物やコミック版のラストシーンに据えられた屋上からの飛び降りシーンなど、映画に似た部分が含まれているが、その使われ方も違っている。
そしてそういう似た要素が、映画を観て不可解でどう解釈したらいいか判らない謎が残っているのに対し、古屋版『自殺サークル』では非常に明快で、園子温の映画より完成度が高いように一瞬思ったりした。これは、ある意味不思議な印象で、古屋兎丸の漫画はどちらかというと不可解なものが不可解なまま存在することが多いように思う。映画版の『自殺サークル』がそういう不可解さに満ちていたのに対して、逆に古屋兎丸版『自殺サークル』は非常に明快で不可解な部分がなく描かれている。
何度か読み返しているうちに、結局のところ古屋版『自殺サークル』は、自殺サークルを主催する謎の少女光子を巡る、単純なホラー漫画になってしまっているんじゃないかと思った。明快だが、映画版にあったいろいろな深みがなくなってしまっている。特に大きいのは、映画の中で問われる「あなたは自分の関係者ですか?」等々のアイデンティティへの問いかけのようなものも、古屋版では単に自分に興味を持てなくなってしまった程度の意味になってしまっている。
映画版『自殺サークル』があって、古屋版を読むとパラレルワールドのような物語の相互作用が興味を持続させるのだが、コミック版独自ではいつもの古屋兎丸のコミックに較べて、物足りない物語になってしまった気がする。
一行日記
ワインを飲む。『ハリポタ』を観る。
買い溜め
ルミネカードで買い物をすると10%割引なのでまとめ買い。
『新版 指輪物語』5〜9(J.R.R.トールキン 評論社文庫)。
『池袋ウェストゲートパーク』(石田衣良 文春文庫)。
『バイバイ、エンジェル』『サマー・アポカリプス』(笠井潔 創元推理文庫)。
『朽ちる散る落ちる』(森博嗣 講談社ノベルス)
『浦賀和宏殺人事件』(浦賀和宏 講談社ノベルス)。
読書はあいかわらずちんたらと『七つの仮面』(横溝正史 角川文庫)を読んでいる。
タクシー
今日乗ったタクシーの運ちゃんは女性だった。
例によって、運ちゃんが話しかけてくる。
「天気予報外れてますねぇ。今日は雨っていってたのに」
「朝は結構降ってましたよ」
いや、出かけるときに本当に結構雨が降っていたのだ。別に黙らせようと思ったわけではない。でも、会話はこれで終わってしまった。でも、話が終わって嬉しかったのも事実。
どうも、タクシーって苦手。いくら乗っても慣れない。
横全読歩
『七つの仮面』(横溝正史 角川文庫)を読み終える。ここに収められている短編では、金田一耕助は、ちょこっとだけしか出てこないのに最後の謎だけ解いて見せたりするので、妙に名探偵度が高い。だいたい推理小説の名探偵は、推理小説の性質上、連続殺人犯が次々と被害者を毒牙にかけていくのを手をこまねいて見ていて、さんざん殺された後に犯人を指摘したりする。そんなわけで、どこが名探偵なんだなどと揶揄されたりすることがあるが、ここに出てくる金田一耕助は事件の謎解きだけバシッと決めていく感じがあってよい。美味しいところどり。
ホームズとの再会
『浦賀和宏殺人事件』(浦賀和宏 講談社ノベルス)を読み始める。が、出かけるときに持っていくのを忘れる。
かわりに読む本を探して本屋へ。『シャーロック・ホームズの愛弟子』(ローリー・キング 集英社文庫)を買う。15歳の少女が、引退して養蜂家となっているホームズに出会い、ホームズは彼女に探偵術を教え込むことになるらしい。とりあえず、ホームズと出会うのだが、ホームズの言葉にカチンときて丁々発止のやりとりを繰り広げる。ホームズをやりこめようっていう女の子が、このあとどう活躍していくのか。
ワトソンとは違う視点、かなり頭のいい女性から見たホームズを描くという、ホームズのパスティーシュ。なかなか面白そうだ。
徹夜
久々に徹夜する。
徹夜明け
徹夜明け、7時半頃、喫茶店で軽く食事をして、『浦賀和宏殺人事件』(浦賀和宏 講談社ノベルス)を読む。読み終えて眠くなってそのまま仮眠する。目が覚めて店を出る。そんな少しの居眠りでも意外と頭がすっきりする。そのまま一日、割と普通に過ごす。やることにもよるのだが、あんまり眠くならないので徹夜明けという感じでもない。
電車の中で、『シャーロック・ホームズの愛弟子』(ローリー・キング 集英社文庫)を読んでいたら睡魔が襲ってきた。電車の揺れと読書は睡眠不足時にはやはり大敵。
夜は9時頃食事、食後横になったらそのままグッスリ眠ってしまう。躰は正直である。
『浦賀和宏殺人事件』
密室本といいながら、密室トリックというより倒叙ものである。むりやり密室ものにするために、一ページ目に精神病患者の日記として、密室の提示があるのだが、軽く読み流してしまってこれが結末に結びつくとは思わなかった。そういう構成としてはかなりよく考えてあると思う。
しかし、帯にある「ミステリでここまでやるのは果たして許されるのか!?」というのは大袈裟すぎ。ここまでって、どこまで?って訊きたい。浦賀和宏とかメフィスト賞作家の名前が実名で出てくるし、担当編集者が実名なのかよくわからないが、すくなくとも講談社ノベルスの浦賀和宏の担当編集者としてでてきて、密室本の話なども出てくる。その辺のことを言っているのか。実在のミステリ作家などを登場人物にしてしまうのは前例もあるし、別に驚くほどでもない。
トータルでいうと、YMOのマニア小説をマルコシ探偵ものとして作中小説に組み込んでみたり、実名小説じたてにするとか、密室トリック小説にするための最初の引用とか、入れ子的構造とか複雑な構成にするのは、浦賀和宏の資質なのかもしれない。個人的にそういう構成自体が好きなので、軽いノリで楽しんで読んでもあとからその構造とか考えるとにやにやできて嬉しい。
休養日
12時までグッスリ眠る。約14時間ぶっ続け。結局一晩寝ないと、7時間×2日分寝てしまうのか。でも、最近一日平均3時間くらいしか寝なくて大丈夫なので、2日分ではなくて、4〜5日分寝てしまっていることになる。やっぱり徹夜は割が合わないかも。
『UFO少年アブドラジャン』と『エコエコアザラクIII』をDVDで観る。『UFO少年アブドラジャン』はやっぱりいい。笑える映画だと思っていたが、泣けてしまった。『エコエコアザラクIII』は、つまらないかった。がっかり。
隠遁生活
この一週間はネット的には隠遁生活を送っていたような感じ。私用メールはメールソフトすら立ち上げてなかった。とはいえ、個人宛のメールはダイレクトメールばかりで特に問題はなし。溜まっていたメーリングリストをぼちぼち読んでいてびっくり。
先週、小川美潮のウズマキマズウというバンドがspeakという名前に新しく生まれ変わった初ライヴがあったのだが、そのspeakは初ライヴにして解散ライヴになってしまったという。ウズマキマズウ最後のライヴは聴きに行けなかったが、まあ実質メンバーも替わらないしと思っていたのもつかの間。シュンブンのミという別バンドもあるけれど、今後の活動はどうなるのだろうか。ちょっと淋しい。
あべこべちゃん
最近、あべこべちゃんが、僕のいうこと全てに反対のことを言ってくるので疲れる。AといえばナルA、OといえばナルOと、答える。おまえはヴァン・ヴォクトか! 今日もメールを書きながら、きっと正反対の返信が来るんじゃないかなぁと思っていたら、10分後にちゃんと届いた。でも、もともとあべこべちゃんがいってきた話じゃないの?と返信したのだが、やっぱり反対してしまっては困ることに気づいたみたいで訳の分からないことをいってきた。自分の首を絞めるような提案をしてくるので、仕方なく真綿で首を絞めるように提案通りのことをしてあげてる。やめた方がいいんじゃないの、っていうと、いや必要ですといってくるので、どんどん苦しくなると思うんだけど、苦しくないのかなぁ。
世の中いろんな人がいるし、たぶんこれもあべこべちゃんだけが悪い訳じゃなくて何かすれ違いみたいなもんなんだろうけど、ただ疲れる。第一印象では、すごく頭がよくて竹を割ったような性格の人だと思っていたので、ちょっとがっかりもした。結構、ポカが多くておおざっぱな人だということも判ってきたので、重箱の隅をつつくように細かいことを気にする僕のことなんか、あら探ししているように感じているのかもね。
夜は毎夜のABC参り。とはいえ、このところ帰りが遅くてABCもしまっていたので久しぶり。買いに行く機会がなかった『弟の家には本棚がない』(吉野朔実 本の雑誌社)を買う。最初、なかなか見あたらず、ないのかと思って諦めかけたら平積みでイヤって言うほど置いてあった。あと、ずっと下巻しか見あたらなかった『修羅雪姫』(小池一夫・上村一夫 角川書店)が上下二冊ともあったので買うことにする。
漫画って、普通の人はすぐ読むんだろうけど、なぜかすぐに読めない。結構買っただけで未読の漫画も多い。『修羅雪姫』は、とりあえず1話だけ読んだのだけど、残りはいつ読めるのか。
深夜メロン
夜中の二時、おもむろにメロンを食べる。
最近、いろんなDMが届いている。最近届いていなかった(ような気がする)劇団からの案内状、ユーロの会員になったのでそのDM、ライヴの案内。毎月届くクレジットと電話代の請求も届いた。クレジットカードだけでなく、最近は電話でもポイントが溜まるようで、そろそろ引き替え期限だというので申し込んでおいたらあっという間に届く。頼んだのはワイン。
新宿にビックカメラができたが、連日目玉商品を出しているらしく、どんな目玉なのか知らないが毎日前日から行列ができているのに驚く。夜の九時過ぎに通りかかっても、新宿駅から新宿警察署の方に行く途中の歩道橋のところまで列ができている。
読書はあいかわらず『シャーロック・ホームズの愛弟子』(ローリー・キング 集英社文庫)を読んでいるが、面白い。すばらしいパスティーシュ。
ところで、ジャンルってフランス語だって初めて知った。スペルはJから始まるもんだとばかり思っていた。
朝寝、朝酒、朝湯が大好きで。
夜遅くに帰ってきて眠いのだが何もせずに寝るということができない。パソコンの電源を入れて、ビールを飲んで、眠いなぁと思いながらふと気づくと畳の上で寝ていた。時計を見ると午前3時半。風呂に入って寝ようと思ってもうちょっとと思っていたのが2時半だから1時間くらい寝てしまったらしい。結局寝てしまうのならさっさと風呂に入っておけばよかったと思いながら風呂にはいる。烏の行水でさっさと出てくるが布団に入りながら外が白みはじめているのに気づく。もう朝じゃないか。あと、2時間半だけ寝られると思いながら眠る。
深夜特急
深夜零時過ぎ。今日もビックカメラの開店待ち行列は長い。だがいつもと少し様子が違うのは、行列を数十人ずつ移動させていること。地下道も閉まっているので、そのまま地上をビックカメラの前まで歩いてみて理由が判った。ハルクの2階入り口に繋がっている立体連絡通路の前に人を誘導しているのである。店の前には4畳くらいずつ、ロープでコーナーを作り、そこに行列の人々は座り込んだり転がっている。花見の陣地取まり、あるいは小学校の運動会の保護者観覧席というかそんな感じで、華やかなショウウィンドウの前で思い思いの暇つぶしをしている。アイマスクをして寝る人、友人と話す人、いろいろいるが、ほとんどの人たちは毛布にくるまって眠る体勢だ。なんだかホームレスの集団のように思えてくる。その集団の向かい側に段ボールで人型サイズに完全密閉されたハウスに寝ている”本職”のホームレスがいて、なんだかそれが非常に可愛らしく思えた。写真を撮ろうかと思ったが、袋叩きにされそうな気がしてやめた。
新宿駅に着いたが、この時間に新宿発の埼京線はない。山手線で池袋まで行き、池袋赤羽間をピストン輸送する埼京線に乗り、赤羽からは京浜東北線でのんびりと各駅に止まりながら30分かけて大宮に行く。あとはタクシーというのが、いつもの帰り道。
しかし改札を抜けたときに聞こえたのは、「埼京線をご利用の方は4番線へお急ぎ下さい」というアナウンス。半信半疑でホームをあがると、ホームにあふれる人、人、人。ホームを移動するのもちょっと苦労する混み具合で、とにかく少しでも空いていそうな後ろの方に向かう。こんな混雑では電車が来ても乗れるはずがない。後ろの方に行っても、それなりに混雑していて、これで乗れるのだろうかという疑問を持つ。山手線も動き出したというアナウンスがあり、何か事故があってダイヤが乱れていたのだろうと思う。
意外にもホームに流れ込んできた電車には人が少なく、それほど混雑していなかった。武蔵浦和で通勤快速と待ち合わせになったので、乗り換える。
『シャーロック・ホームズの愛弟子』 ローリー・キング
文句なしに面白かった。シャーロック・ホームズのパスティーシュとしても素晴らしいし、話自体も面白い。
主人公メアリ・ラッセルが15歳のとき、引退して養蜂家となったホームズと出会い、彼と交流を深めるうちにいつしか探偵技術を教え込まれていく。そして、彼女が大学に入ったとき、パートナーとしてある事件に関わることになる。ホームズに若き日のホームズ並の力量を持つことを認められたラッセル嬢は、物語のクライマックスであるホームズそしてラッセル嬢自身の命に関わる冒険で、ホームズの命を賭けた勝負に挑むことになる。
あの冷徹で嫌みなホームズがどうして15歳の少女と交流することになるのか、女嫌いのホームズがなぜ女性を自分の弟子に迎え入れるのかというのは、ちょっと想像することができない出来事である。それをローリー・キングはいかにもホームズらしい出来事として描いている。物語の発端では、もちろんホームズは例によって人を小馬鹿に扱うし、ラッセルはその態度にかちんと来る。だがそれに対して、知性での鋭い切り返しを返し、またそのことからホームズは一瞬にして自分と対等な人物、そして自分の弟子にできる人物が現れたことを見抜く。この中で描かれるホームズは原典の部分と、ワトスンによって歪め誇張されて描かれたのとは違う側面、そして田舎に引退したもう若くはないホームズとして描かれている。それは懐かしく、新鮮で、ちょっと物悲しい。
最初の事件は、原典にもありそうな議員の令嬢の誘拐事件である。引退したと思われていたホームズは、実は田舎に居を構えながらも内密な依頼を受けて精力的な活動をしていたのだ。誘拐事件もまたこの筋から話がくる。ホームズはジプシーに変装して、一人事件の解決の為に出かけようとするが、そこへラッセル嬢が出会わせ彼女も事件の解決に同行することになる。ラッセル嬢はジプシーの娘に変装させられて、それから巻き起こる事件もホームズものにありそうな展開でパスティーシュとして文句なしだ。だが、ラッセル嬢を語り手にしていることで、ワトスンの語りとは違う全く別の味を醸し出している。
ラッセル嬢がホームズと出会ってから一人前の探偵に育つまでという長い時間の物語であり、最初の事件(誘拐事件)と田舎の小事件、そしてホームズとその仲間たちの命を狙った強敵との戦い。ホームズが名探偵の代名詞でありながら実はホームズ物は伝奇冒険小説的な物語が多かったように、『ホームズの愛弟子』もまた冒険小説的なおもしろさでできているのである。
ホームズファンとして嬉しいことに、ワトスン、ハドスン夫人、マイクロフトはもちろん、ホームズ物には欠かせないレストレイド警部の代わりに彼の息子が登場することを書いておこう。そしてここには書けないある人物も出てくる。3冊ほど続編が出ているようなので、そういう原典に依ったサービスも楽しみにしながら読んでみようと思う。
限界点
『朽ちる散る落ちる』(森博嗣 講談社ノベルス)を読み始める。電車では眠くなるし、全然進まない。比較的早めに家に帰り、風呂に入るまでと思って畳に転がったら明け方までそのまま寝てしまう。最近こんなことばかり。体力の限界か。
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